設立趣意

2011年3月11日の震災とそれに伴う福島第一発電所の事故を境に、エネルギーの問題が全ての『市民』にとって、そして個人としての『ワタシ』にとって、直接影響のある大きな問題であることが知られるようになりました。

甚大な被害があり、これからもその被害と向き合っていかねばならない現実がありますが、これまで多くの市民にとって人ごとであったエネルギーの問題が顕在化したという点では、過去にない契機にもなりました。 

 

この1年余りの間に、将来のエネルギーのあり方に関して色々な場面で、様々な議論や意見交換がなされ、今も続いています。有意義な議論や意見交換がなされたことも事実ですが、立場やフェーズ、取得する情報ソースの違いなどからいたずらにお互い傷つけあうようなかみあっていない議論も多く、この問題に関して苛立っている人が多く存在するのも事実のように思います。根気強くお互いにコミュニケートしていく努力を継続し、お互いにフェーズの違いを超えて理解しあっていくことがもっとも重要なことだと思いますが、具体的な事例や信頼できるデータを通じてあいまいな部分を消しこんでいったり、仮説を実証することで議論を次の段階に進めていくことも同時に重要だと思います。 

   

2012年7月にFITが施行され、導入予想を上回るペースで大手資本による新規の再生可能エネルギーが導入され、個人宅への導入も100万戸を超え堅調です。 また農協が農業用水路を利用した水力発電導入を表明したり、コンビニチェーンが、全店舗にソーラーを導入を表明するなど企業や団体の働きかけによる部分については今後も進んでいくことが予想されます。

 

もちろんこれら企業や団体の努力による普及は大変大切で喜ばしいことです。 

しかし集合住宅に住んでいたり、50万、100万円単位での出資は経済的にできないなどの様々な条件により、環境や地域コミュニティに高い意識を持っていながら再エネの普及に参加できない多くの方々がいらっしゃるのはとても残念なことです。それでは再生可能エネルギーの『地域分散性』と『民主性』という独自のメリットが十分に活用されないからです。

 

そこで当会は、全ての人々が様々な形で民主的な再エネと省エネの普及に参加できる方法を開発・実践することで、地域社会の再興・地域社会の自立化にも寄与したいと強く思い、ここに設立を宣言する次第です。

  

   2012年9月吉日  グリーンタートルズ 代表 東 光弘